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全米オープン

「まずは謙虚にならないといけないと思う」とグランドスラム3冠のジョコビッチが語る [全米オープン]

 アメリカ・ニューヨークで開催された「全米オープン」(8月31日~9月13日/グランドスラム/ハードコート)。

 日付が変わった月曜日、午前2時のアーサー・アッシュ・スタジアムの駐車場。それはノバク・ジョコビッチ(セルビア)がロジャー・フェデラー(スイス)を倒してまだ数時間後のことだったが、ジョコビッチは一人でそこに立っていた。大会期間中に会場からマンハッタンのホテルに移動するために彼が乗っていた車の鍵を開けられないでいたからだ。彼は自分で車を運転して会場とホテルを行き来していた。

 ジョコビッチは振り返って、彼の陣営の誰かが鍵の入ったバッグを持っていってしまったのだと話していた。彼は渋々大会の用意した送迎車に乗り、会場をあとにした。ほとんどの選手たちがこの送迎車に乗って行き来するが、28歳のジョコビッチは運転席に座ることを好む。

 「少しばかり自分の時間をつくって、リラックスしたいんだ。音楽を聞いたり、いろいろと考えごとをしたりね。ここで運転するのが好きなんだ。年間を通じてそんな機会はあまり多くないからね」とジョコビッチは月曜日に話している。

 「実際、会場からホテルまで“チャンピオンズ・ドライブ”をするのをものすごく楽しみにしていたんだよ」と笑いながら、「できなかったけどね」とジョコビッチは付け加えた。

 銀の優勝カップを傍らに置いて朝のテレビのトークショーに出演したジョコビッチの声はかすれ、時折咳き込んでいた。

 日曜日の決勝でジョコビッチは、6-4 5-7 6-4 6-4のスコアでフェデラーを破った。これは今季のグランドスラムでは三冠目(全豪、ウィンブルドン、全米)。

 ジョコビッチはフェデラーの通算17度のグランドスラム優勝の記録を追いかけている。過去3度の両者のグランドスラムの決勝での対決ではジョコビッチが勝っているが、この結果がもし、逆になっていれば、フェデラーの通算タイトルは20となり、ジョコビッチは7のままだった。

 ジョコビッチの通算10勝は、歴代7位タイの記録だ。フェデラーの17勝の次は、14勝のピート・サンプラス(アメリカ)とラファエル・ナダル(スペイン)、12勝のロイ・エマーソン(オーストラリア)、11勝のビヨン・ボルグ(スウェーデン)とロッド・レーバー(オーストラリア)に次ぐ記録だ。

 「僕がピートやナダルの記録を抜くのを目指していないと言えば、それは嘘になる。たとえナダルはまだ現役でプレーしていて、まだまだタイトルを上乗せできる状態だったとしてもね」とジョコビッチは言う。ジョコビッチはすでに4度目となる年度のナンバーワンの座を確実にしている。「このままいきたいよ。そしてできるだけ長くプレーしたい。実際、あと2回ぐらいは勝てるチャンスがあると思っているんだ」。

 フェデラーも似たような話をしている。

 「彼は本当に安定している。彼に匹敵する選手はあまり多くないと思う。ハードコートでの彼のテニスが完璧だというのは疑いようのないこと。また、彼はクレーコートでも素晴らしい選手でもある。それは彼の動きのよさによるものだ。彼の動きは鋭く、芝でも安定したプレーを見せている」とフェデラーは言う。「特に最近の彼はとても印象的だよ」。

 1968年のオープン化以降、4つのグランドスラムのすべてで決勝に進出したのは、フェデラー(2004、2006、2007年)、レーバー(1969年に年間グランドスラムを達成)の2人だけだったが、今年ジョコビッチが3人目として加わった。

 今季のジョコビッチのグランドスラムでの戦績は27勝1敗。唯一の敗戦は全仏オープンの決勝でスタン・ワウリンカ(スイス)に敗れた1試合だけだ。
 
 「今季は起こりうるすべてのことが起きたという感じだよ」とジョコビッチは言う。「もしあの試合(全仏オープンの決勝)に勝っていたら、ウィンブルドンで勝てていたかどうかは神のみぞ知るというところだけど、たぶん、僕はそれで満足できていただろうね」。

 この全米オープンで年間グランドスラムがかかっていたセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)にも、ジョコビッチは注目していたという。セレナは準決勝で敗れ、快挙まであと2勝のところで力尽きた。

 ジョコビッチはまだ全仏オープンで勝てていない。年間グランドスラムの半分までもこられていないということになる。

 「果てしないほどのプレッシャーが彼女にはかかっていたんだと思う。準決勝の試合を見ていれば、そう感じられたと思う」とジョコビッチは言う。「でも、彼女もまた人の子だったということだと思う。スポーツ史上でもっとも君臨した選手の一人の彼女であっても、ああいうことが起きてしまうものなんだ」。

 ジョコビッチにそういう注目が集まったときに、彼はどう感じるのだろうか?

 「まるで気にしないだろうね」とジョコビッチは笑いながら話している。「そういう話を来年の全米オープンの前にはしていたいものだと思うよ。つまり、そのときには3つのグランドスラム・タイトルが僕のポケットに入っているということだからね。でも、まずは謙虚にならないといけないと思う。あと一つというところに迫れるように一歩一歩やっていかないといけないんだ。その上で、その先に何があって、自分がどこにいけるかを考えないといけないんだと思う」。(C)AP

Photo: NEW YORK, NY - SEPTEMBER 14: Novak Djokovic of Serbia, the 2015 US Open Men's Singles champion, poses with the winner's trophy in Central Park on September 14, 2015 in New York City. (Photo by Chris Trotman/Getty Images for ATP)

※内容に一部誤りがあり、訂正いたしました(編集部/9月15日、17時30分現在)

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