全米オープン

「問題児」キリオスはマレーに敗退もその振る舞いは? [全米オープン]

 アメリカ・ニューヨークで開催されている「全米オープン」(8月31日~9月13日/グランドスラム/ハードコート)。

 大会2日目の火曜日。男子シングルス1回戦で、第3シードアンディ・マレー(イギリス)と問題発言後の影響の渦中にいるニック・キリオス(オーストラリア)が対戦した。キリオスはマレーを苦しめたが、それは続かなかった。マレーは18本のサービスエースと、14度のブレークのピンチのうち11本をしのいで7-5 6-3 4-6 6-1でキリオスを下し、2回戦に進んだ。終始安定していたマレーに対してキリオスは集中力が続かず、不安定な状態だった。

 「彼との対戦で僕にとって大事だったのは、ただ集中して戦うことだったのは明らかだったね」とマレーは話している。

 キリオスは問題発言後、ATPから6ヵ月の執行猶予付ながら28日間の出場停止と2万5000ドルの罰金処分を受けて以来、初の試合だった。彼は今後の6ヵ月のATPツアーで再度問題を起こすと、この処分が執行されることになる立場だ。ただし、グランドスラムはATPの管轄ではなくITF(国際テニス連盟)のイベントのため、全米オープンとは直接の関係がない。

 モントリオールの大会で、スタン・ワウリンカ(スイス)に対してキリオスが放った問題発言(ワウリンカのガールフレンドが、タナシ・コキナキスとも関係をもっているという内容)をコートサイドの集音マイクが拾って流れてしまったことで、キリオスに対しては翌日の段階でATPから合わせて1万2500ドルの罰金処分が下っている。さらに、ATPは今後も彼のふるまいに対して監視を続けるとしている。

 「自分としては、とてもうまくやってこれていると思っている。厳しい状況なのは確かだが、自分はここから前に進もうと思っている」と20歳のキリオスは話している。「僕はここから学びたいと思っている。自分としては地道にやっていこうと思っているし、今はそうなっていると思う。この部屋(記者会見場)の誰もが、20歳のときに完璧だったとは思わない。もしそうならそう言ってほしい」。

 キリオスのこの発言に対して会見場の記者たちが沈黙で答えると、キリオスはうなずきながら「そうだと思う」と話していた。

 のちに、今回の問題から彼が何かを学ぶと言ったことの意味について聞かれたのだが、キリオスは「君は口を閉じていろ」と返答していた。

 マレー戦でのキリオスは、自制しようとしているようには見えなかった。

 キリオスは主審のカルロス・ラモスから声が大きすぎると警告を受けている。キリオスは観客たちがゲーム中に移動していることに対して主審に抗議していた。また、ラケットをコートに叩きつけたり、バックフェンスに当たったりという態度を見せていた。股抜きショットを見せたかと思えば、派手なスマッシュを見せたりもした。チェンジオーバーの際には、まるで子供が居眠りするときにブランケットをかけるような体勢で椅子に大きく横たわり、肩にタオルをかけて目を閉じていた。

 「居眠りしてたんだよ」とキリオスは話している。「あなたにもおすすめするよ」。

 試合を見ていたボリス・ベッカーはESPNのインタビューの中で、キリオスは口を慎んだほうがいいと話していた。「彼は自分の気まぐれな行動によってではなく、コート上のパフォーマンスで有名になるようにすべきだ」とベッカーは話している。

 モントリオールの大会でキリオスが起こした出来事は、この数週間のテニス界では大きな話題だった。キリオスは現在37位。昨年のウィンブルドンではラファエル・ナダル(スペイン)を倒し、今季もロジャー・フェデラー(スイス)を倒す実力を見せているが、マレーはそんな彼と戦うことになっていたことになる。

 「僕らはみんな間違いをおかす。彼は何百万、何千万人という人々の前でそれをおかしてしまった」とマレーは言う。「間違いだったと僕は思う。彼はたくさんの間違いをおかしている。でも、彼はまだ若いとも僕は思っている。みんなそれぞれ違った形で成長し、大人になっていくものだとも僕は思っている」。

 この日のキリオスについて聞かれたワウリンカは「もうそこまで気にしていない」と話している。

 コキナキスも似たような反応だ。「僕はもうそれは過去のことだと思っている。そして、あなたたちもそう思ってくれるものだと思っている」。

 コキナキスは第12シードのリシャール・ガスケ(フランス)と対戦したが、ケイレンのため途中棄権し、敗退している。華氏90度(摂氏約32度)で湿度の高い酷暑に見舞われた今大会の1回戦では、すでに12人が途中棄権し、敗退している。

 これは故障や病気などでの途中棄権が出た数としては、1968年のオープン化以降で最多となった。これまでの最多は2011年全米オープンの9人だった。

 内訳は男子10人、女子2人。2日目にはコキナキスのほか、マルコス・バグダティス(キプロス)、エルネスツ・グルビス(ラトビア)、アレクサンダー・ネドビエソフ(カザフスタン)、女子のマリーナ・エラコビッチ(ニュージーランド)が棄権で敗退している。

 「多くの選手たちが棄権している状況に驚いているのは確かだ」とワウリンカは話している。(C)AP

Photo: NEW YORK, NY - SEPTEMBER 01: Nick Kyrgios of Australia shows his emotions as he takes a rest between sets during his first round match against Andy Murray of Great Britain on Day Two of the 2015 US Open at the USTA Billie Jean King National Tennis Center on September 1, 2015 in the Flushing neighborhood of the Queens borough of New York City. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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