全仏オープン

背部の痛みが再発したナダル、フェレールがストレート勝ち モンフィスは大苦戦の3回戦 [全仏オープン]

 全仏オープン(5月25日~6月8日/フランス・パリ)、大会7日目の男子シングルスは3回戦。第1シードラファエル・ナダル(スペイン)は試合中、背部に異常を再発させたが、レオナルド・メイヤー(アルゼンチン)を6-2 7-5 6-2で退けて4回戦に進んだ。
 
 ナダルは全豪オープンの決勝で背部を傷め、決勝でスタン・バブリンカ(スイス)に敗れていたが、そのときの痛みが試合中に再発。サービスに影響が出ている中での勝利だった。全仏ではこれで31連勝だが、「痛みが出てからは、サービスを少しゆっくり打つようにした」とナダルは話しており、4回戦以降が心配される。

 「僕はキャリアの中で今までいくつかの問題を抱えてきたけど、できることならこれがその一つにならないことを祈るよ」(ナダル)

 ナダルの4回戦の相手は、ジャック・ソック(アメリカ)を6-4 7-5 6-3で破ったドゥサン・ラヨビッチ(セルビア)。
 「彼のことはテレビで何回か見たことがあるよ。新しい選手がツアーに出てくるのはいいことだと思うよ。強すぎないといいけどね。月曜日には戦う準備ができていることを願うよ」とナダルがやや弱気なコメントをしているのも気になる。

 一方、ここまで順調なのがダビド・フェレール(スペイン)で、この日は難敵アンドレアス・セッピ(イタリア)を迎えたが、6-2 7-6(2) 6-3で勝利している。「だいたいは満足な出来だったよ。フォアハンドをもっと安定させないといけないとは思ったけどね」とフェレール。「今季は初めの段階からあまりよくなかったんだけど、ここにきていい感じだよ。僕のプレーの鍵であるリターンがよくなっている。あとはサービスだね」。

 その他の試合ではギジェルモ・ガルシア ロペス(スペイン)がドナルド・ヤング(アメリカ)を6-2 6-4 2-6 6-7(4) 6-4で破り、また、ケビン・アンダーソン(南アフリカ)がイボ・カルロビッチ(クロアチア)から第1セットを6-3で終了した時点で、カルロビッチが腰を傷めて棄権して勝ち上がっている。前日日没順延となっていたマルセル・グラノイェルス(スペイン)とマルティン・クーリザン(スロバキア)の試合は6-7(5) 6-2 7-6(4) 7-5でグラノイェルスが勝って決着がついた。

 女子の激戦に押し出される形で、男子シングルス2試合が日没で順延となっている。センターコートのフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)対リシャール・ガスケ(フランス)は、ベルダスコから6-3 6-2 2-2の時点で、また、コート・スザンヌ・ランランのフィリップ・コールシュライバー(ドイツ)対アンディ・マレー(イギリス)は、6-3 3-6 3-6 6-4 7-7で中断となり、日曜日に持ち越しとなった。

 この日の男子シングルス3回戦のハイライトはやはり、地元フランスで絶大な人気を持つガエル・モンフィス(フランス)と、同じく人気者のファビオ・フォニーニ(イタリア)の一戦だろう。結果から言えば、5-7 6-2 6-4 0-6 6-2でモンフィスが勝って4回戦進出を果たしたが、第3セットまではお互いに鋭い動きから鋭いショットの応酬で、第4セット以降はお互いにトラブルを抱えた中での我慢比べという2つの要素が入り交じった試合となった。

観客たちと一体化したような試合ぶりを見せたモンフィス



 「第3セットを戦った時点ですごく疲れていたので、第4セットでは自分のために時間を使ったんだ」と、第4セットのスローダウンについて「死んだふり」だったと話しているのはモンフィス。「ロングラリーが続いていたからね」。

 観客たちはまるでデ杯のような大騒ぎでモンフィスに熱い声援を送って後押しした。今年の大会前のフランス人選手たちは地元紙などにこぞって「今年は期待しないでほしい」という意味の言葉を並べていたのだが、それが逆にファンに火を点けたようで、すべてのコートでフランス人選手たちに熱い声援が飛び、選手たちがそれに応えていつも以上の力を出しているような光景を目にする。

 「観客たちはいつも違うから、毎回が新しい体験で、光栄なことだよ。今日もまた素晴らしかったね」と素直に感謝の言葉を述べているのはモンフィスだ。

 モンフィスは、自分は自分の楽しみのためにプレーし、何よりもファンを楽しませることが一番だと考えるタイプだと自負しているという選手だが、ファンの楽しませ方は何もトリッキーなプレーをするだけではなく、彼の持つポテンシャルを発揮して試合に勝つこともその一つだという自覚も強くなってきているのだろう。今年の大会の彼のプレーは、見た目の印象以上に勝ちにこだわって見える。

 だが、「今回の僕は、何の準備もできないままで大会に入ったんだ」とモンフィスは言い、勝ち上がっているというよりも、生き残っているというつもりなのだという。「僕は鉄人だけど、薬を飲んでいる鉄人なんだ。昨日の練習中に飲むのを忘れたら、また痛みが戻ってきたよ。体調がいいとは言えないね」と、大会前に出場を迷っていたという膝や足首の状態は決してよくはないのだと彼は話している。

 一見すると適当に見える彼のプレーだが、「今日のファビオにまともにサービスを打っても、すごいリターンが返ってきたから」という理由でわざとスピードを落として相手のリズムを崩そうとしたり、あるいは、次の対戦相手について聞かれて、非常に細かく記憶しているところを披露していたりと、常に考えて対処しようとしているのもまた、彼の特長だ。
 
 ケガを抱えつつも、相手に勝つテニスができるのが本物のトップ選手。5セットマッチゆえに、スタミナをうまく配分して、エネルギーを出し入れする時間的な余裕もある。そういう試合ぶりが見られるのもグランドスラムならではだろう。大会も中盤に差し掛かり、各試合の濃度も上昇中だ。本命視されているナダルが不安を抱えたことで、一層先行きは不透明になってしまったが、明日以降もまだまだ楽しめそうだ。

TennisMagazine/ライター◎浅岡隆太)

Photo:France's Gael Monfils shouts after defeating Italy's Fabio Fognini in their third round match of the French Open tennis tournament at the Roland Garros stadium, in Paris, France, Saturday, May 31, 2014. (AP Photo/David Vincent) 

Photo:Spain's Rafael Nadal returns the ball during the third round match of the French Open tennis tournament against Argentina's Leonardo Mayer at the Roland Garros stadium, in Paris, France, Saturday, May 31, 2014. (AP Photo/Michel Euler)

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