全豪オープン

準備万全、負けん気満々で、穂積/加藤が準決勝進出 [全豪オープン]

 オーストラリア・メルボルンで開催されている全豪オープン(1月16~29日/ハードコート)の大会9日目、錦織圭(日清食品)が4回戦で姿を消して沈む日本テニス界に、明るいニュースがもたらされた。

 女子ダブルスで穂積絵莉(橋本総業ホールディングス)と加藤未唯(佐川印刷)が準々決勝を突破。ミルヤナ・ルチッチ バローニ(クロアチア)/アンドレア・ペトコビッチ(ドイツ)に6-3 6-3で快勝し、今大会で初めて到達したグランドスラムのベスト8からさらに前進した。

 ジュニアの部では、男子シングルスでグランドスラム初出場の羽澤慎治(西宮甲英高)が2回戦で予選上がりのオランダ選手を破り、女子第10シード本玉真唯(S.ONE)も2年目のグランドスラム挑戦で初の3回戦進出を決めた。羽澤はロシアの選手と組んだダブルスでも2回戦を突破する好調ぶりだ。

 永田杏里(チェリーテニスクラブ)と佐藤南帆(有明ジュニアテニスアカデミー)はシングルス2回戦で敗れ、佐藤は台湾の選手と組んだダブルスでも逆転負けを喫したが、永田はタイの選手と組んで2回戦を突破した。中国の選手と組んだ堀江亨(関スポーツ塾・T)も3回戦進出を決めている。

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 グランドスラムの準々決勝という初めての舞台で、コンビ歴7年の22歳ペアは臆することなくのびのびと、「自分たちらしいプレー」を見せた。

 「相手もノーシード。自分たちのプレーをしっかりすれば、チャンスはあると思っていた」と穂積は言うが、相手ペアの一人、34歳のルチッチ バローニは今大会のシングルスでもベスト8に勝ち上がっており、もう一人のペトコビッチは元世界ランク9位でツアー優勝6回、全仏オープンのベスト4などの実績がある実力者だ。

 ただ、ペアとしての経験の浅さに勝機を見ていた。ペトコビッチとルチッチ バローニが組むのは今回が初めてで、ダブルス出場自体、両者とも昨年の全米オープン以来だった。穂積と加藤は全米オープンで3回戦に進出したあと、年内に4大会をともに戦い、11月のホノルル(WTA125K)では優勝もしている。ダブルスにかける意気込みもまさっていたに違いない。

 第1セットは第4ゲームのルチッチ バローニのサービスゲームをブレーク。第2セットは第5ゲームをラブゲームでブレークされたが、すぐにブレークバックし、結局2-3から4ゲームを連取。最後は加藤が得意のポーチに出て、ペトコビッチのフォアハンドに対してバックボレーを軽快に決めた。

 繰り返すが、個々の力は向こうのほうが上。平均で20cm近い身長差が生み出すリーチの差、パワーの差は否めない。サービスのスピードも明らかに劣った。しかし、穂積と加藤のほうが相手に返されないサービスをより多く打ち込み、逆に言えばより多くのリターンを返した。そして、穂積が後ろから粘り強く打ち合い、加藤が前で細かく動くというコンビの力を見せた。相手ペアが苛立つのは無理もない。穂積/加藤の1.5倍にあたるアンフォーストエラーをおかした。

 「どんなに打たれても引かずに打っていこうと決めていて、それができたと思う」と穂積が言えば、「押されても、同じくらい打ち返してやろうと思っていた」と加藤。負けん気も働いた勝利だった。

 2013年のウィンブルドンで青山修子(近藤乳業)/シャネル・スケッパーズ(南アフリカ)が、2014年には全米オープンで伊達公子(エステティックTBC)/バーボラ・ストリコバ(チェコ)が4強入りしたほか、日本人ペアとしては2002年全仏オープンでベスト4だった杉山愛、藤原里華(北日本物産)以来となる。 

 勝ち進んでいる間、同じものを飲んだり食べ続けたりするというゲンかつぎは、よく聞く話。しかし穂積はちょっと変わったゲンかつぎを披露した。

 「私は試合前、ロッカールームで毎日同じトイレを使っています。洗面台も同じところ。人がいたら、空くまで待ちます」

 加藤は、「特にないです。ピンときたところに入ります」と続けた。

 凸凹感も強さの秘密かと思えてくるから不思議だ。次はさらに強敵、第2シードのベサニー・マテック サンズ(アメリカ)/ルーシー・サファロバ(チェコ)に挑む。

テニスマガジン/ライター◎山口奈緒美)


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