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メドベージェフの怒りは妥当?問題となったルールの定義とは

2019年「全米オープン」でのメドベージェフ

「ATP1000 トロント」(カナダ・トロント/8月9日~8月15日/ハードコート)の2回戦で、第1シードダニール・メドベージェフ(ロシア)が審判の判定に対して悪態をついたことは先日お伝えした通り。問題となったルールの詳細、そして今回のニュースに対するメディアや世間のリアクションをご紹介しよう。

メドベージェフは2回戦で世界ランキング39位のアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン)と対戦。第3セットの序盤でメドベージェフは高く上がったチャンスボールをスマッシュした時、打球がブブリクの身体に当たりそうになったため「ゴメンよ!」と謝罪。ブブリクはコートに倒れ込みながらなんとかラケットでその直球を受け止めるも、メドベージェフにさらにイージーな球を返すことになり、メドベージェフが2度目のスマッシュを決めた。しかし、メドベージェフの「ゴメンよ!」という発言を、故意に相手の邪魔をする行為と見なした主審が、スマッシュ直前にヒンドランス(プレー妨害)とコールし、ポイントはブブリクのものに。


するとメドベージェフは主審の目の前でこれを「馬鹿げたコール」と表現し、相手選手が笑っていることから「彼(ブブリク)はあなたのことを笑っているんだ」と主審に向かって悪態をつくなど、不満を露わに。


なお、ATPはヒンドランスについて、「(1)審判による判定の訂正により、あるいは(2)コート上で起きた不注意な出来事により生じる」と定義している。その中には、選手がポケットの中に入れていた予備のボールがこぼれ落ちる、身に着けていた帽子が落下する、怪我で思わず声をあげてしまうなども含まれる。プレー中は「ノイズ」をあげてはいけないとされており、例えばプレーが実は続いているにもかかわらず、ウィナーを決めたと早合点して、相手がボールを打つ時に「カモン」「バモス」といったかけ声を出してしまった場合も、ポイントを失うことになる。また、「選手によるそうしたプレーの妨害に繋がった行為は、故意であろうとなかろうと」反則だと説明されている。


そのため、審判がメドベージェフの謝罪をブブリクにとってプレーの妨害に繋がったと判断したのなら、判定は正しかったということになる。とはいえ、当のブブリクは無我夢中だったため、「誰がポイント中に話したって?僕がポイント中に邪魔したの?」などと語り、メドベージェフが言葉をかけていたことにまったく気づいていなかった模様。


なお、メドベージェフは試合後、「これまでああいうスマッシュを決められなかったことがなかった」ので最初のスマッシュでプレーは終わったと早合点してしまったと説明。「彼(ブブリク)は跳んだとしてもあのボールを打ち返せなかっただろうから、妨害なんて成立しないんだ」と、あらためて判定が間違っていたと主張した。


そんなメドベージェフが主審に対する自身の悪態が収められた動画に「ここは黙っておくよ」とツイートしたところ、「お願いだから黙らないで。今のツアーにあなた以上のエンターテイナーはいない」などと彼を擁護するコメントが寄せられる一方、「これは今のテニス界における特に大きな問題の一つを示している。しかしルールはルールだ」といった風に彼に難色を示す意見もあがった。


なお、メドベージェフの“エンターテイナー”ぶりはヒンドランス以外の場面でも見て取れた。この試合では第2セット途中に雨が降り出して1時間近くプレーが中断したが、試合再開後にメドベージェフは下着を替えるためにロッカールームやトイレに行くことを許されず、その際に主審にこう伝えている。「こうなったら僕が下着を換えるにはコートの隅でやるしかないけど、いくつもテレビカメラがある。僕はそれでも構わないけど、みんなに見られることになるね」


(テニスデイリー編集部)


※写真は2019年「全米オープン」のメドベージェフ
(Photo by Elsa/Getty Images)

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