マイページ

ATPニュース

シーズン前半に一皮むけた3人の若手選手たち

写真は左からチチパス、メドベージェフ、ベレッティーニ

ここ3ヶ月ほどの間に、男子テニス界の中で待ちに待った飛躍を遂げる若い選手たちが現れた。今シーズン前半に一皮むけたそんな若手選手たち3人を、ATPツアーの公式オンラインメディアが紹介している。

チチパスがクレーコートを支配


主力選手不在の「ATP1000 マイアミ」で、自身初のATPマスターズ1000のタイトルを獲得する絶好の機会を逃したステファノス・チチパス(ギリシャ)は、そこで落ち込んでしまっても不思議ではなかった。だが結果的に、彼は周囲にさほど疑いを抱く時間を与えなかった。チチパスはその直後に出場した大会で待ちに待った躍進を遂げ、決勝のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)戦も含めて1セットも落とさずに、「ATP1000 モンテカルロ」のドローを駆け抜けて優勝を遂げたのだ。


チチパスにとっては自身6つ目のタイトル獲得、かつATP250より上の大会での初タイトルだったが、そこで彼の勢いは止まらなかった。モンテカルロでの優勝はチチパスにとって頂点ではなく、クレーコートを支配するシーズンの幕開けに過ぎなかったのだ。


チチパスはクレーコートでの成績を23勝5敗とし、ツアー最多となる40勝を挙げた(シーズン全体で40勝11敗)。「ATP500 バルセロナ」では決勝に進出し、一時はラファエル・ナダル(スペイン)を相手にマッチポイントを握った。その後も10連勝を達成する中で「ATP250 リヨン」のタイトルを獲得し、「全仏オープン」では自身初となるグランドスラム決勝進出を果たし、決勝で世界王者ノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗退した。


その結果、チチパスはかなりの期間、年末の最終戦「Nitto ATPファイナルズ」に出場する8人の選手を決める「レース・トゥ・トリノ」で首位につけていた。先日ジョコビッチに抜かれたが、チチパスが抜き返す可能性はまだある。


「それこそが僕が今戦っている理由だよ。今はそこにほとんどの注意を向けているんだ。それは優先事項だから、“レース・トゥ・トリノ”でできるだけポイントを獲得できるようにしている。今のところ上々だね。いいテニスができている。安定したプレーができていて、それが今いる位置につながった。今年は7,000ポイントか8,000ポイント獲得することを目指しているんだ。いい目標だと思うし、今の安定感があれば、到達できない理由は見当たらない」


ベレッティーニが強力な形で復活


腹部の怪我でシーズン前半のほとんどを試合から離れて過ごしていたマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)にとって、クレーコートで感覚を取り戻すのにいくつかの大会を要し、あまり期待をせずにいたとしても不思議はなかった。だが実際には、ベレッティーニはそんな見立てを吹き飛ばし、復帰後2つ目の大会となった「ATP250 ベオグラード」の決勝で大注目のアスラン・カラツェフ(ロシア)を抑え込み、4つ目のタイトルを獲得した。彼はそのまま8連勝し、マドリードで自身初となるマスターズ1000大会の決勝の舞台まで押し進み、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に敗れた。ほんの数週間前にはサーブを入れることにさえ苦戦していたことを思えば、悪くない結果だ。


「最高だよ。怪我をした後の3日間は、腹筋を鍛える運動はできたけど体の向きを変えられなかった。車に乗る時や飛行機に乗るのにも苦労したよ。痛みを感じたんだ。くしゃみをする時にまでね。長いことサーブを打つこともできなかった」とベレッティーニはマドリードで語っていた。


しかし、最高の結果はまだ先に控えていた。ベレッティーニはロンドンの芝でさらなる高みに達したのだ。「ATP500 ロンドン」で、過去5回優勝しているアンディ・マレー(イギリス)を下し、決勝ではキャメロン・ノリー(イギリス)に勝利して、自身初となるATP500のタイトルを獲得した。「ウィンブルドン」ではこれまで4回戦より先に進んだことはなかったが、ベレッティーニはここで最大の成果を挙げることとなった。強力なサーブを武器に初めてのグランドスラム決勝まで勝ちあがってきたベレッティーニを止め、彼の連勝を11で終わらせることができたのは、ジョコビッチだけであった。


メドベージェフが全てのサーフェスを習得


グランドスラムの決勝に2度進出し、ツアーレベルのタイトルを11個獲得しているダニール・メドベージェフ(ロシア)は、ここ数年間ハードコートで最高の選手の一人であったことに疑念の余地はない。しかし世界ランキング2位に浮上し、2021年の4月から8月の間にはランキングを維持する上で守るべきポイントがほとんどない状況の中、彼はクレーと芝で自分自身に挑戦する機会を手にした。


「ATP1000 マドリード」と「ATP1000 ローマ」では共に過去0勝2敗、そして「全仏オープン」では過去0勝4敗という成績から、目標は単純だった。1試合以上勝つことだ。彼はそれを達成し、それ以上の結果を残した。「ATP1000 マドリード」で勝利を挙げて足がかりを得ると、「ATP1000 ローマ」では初戦でつまずいたが、「全仏オープン」ではこれまでの成績を覆し、ハードコート以外のグランドスラムで初となる準々決勝進出を果たした。メドベージェフは長年クレーコートが嫌いだと明言していたが、ここに来て調子を変え始めた。


「今年の“全仏オープン”のクレーの感覚は素晴らしいよ。ここで僕に勝つためには、相手はいいプレーをしないといけないはずだ」とメドベージェフ。


芝コートのシーズンに移っても、メドベージェフは自身の安全地帯と言えるハードコートの外での活躍を続けた。彼はもともと芝でのプレーを楽しんでいたが、プロとしては成功をおさめていなかった。メドベージェフは「ATP250 マヨルカ」決勝でサム・クエリー(アメリカ)を破って11回目の優勝を遂げたが、これはハードコート以外では初めてのタイトルであった。この結果はその後の「ウィンブルドン」での最高成績にもつながった。メドベージェフは「ウィンブルドン」で決勝進出経験のあるマリン・チリッチ(クロアチア)らを破って4回戦まで勝ち進み、後にロジャー・フェデラーを破ったフベルト・フルカチュ(ポーランド)に敗退した。


(テニスデイリー編集部)


※写真は左からチチパス、メドベージェフ、ベレッティーニ
(Getty Images)

ATPニュースの関連記事

PAGE TOP
menu