
「ATP500 ロッテルダム」(オランダ・ロッテルダム/3月1日~3月7日/室内ハードコート)で、自身約1年8ヶ月ぶりにツアーベスト8進出を果たした錦織圭(日本/日清食品)。2回戦後の記者会見で、同じく怪我からの復活を目指す元世界1位アンディ・マレー(イギリス)にエールを送った。
Fox Sportsによると、マレーは今大会1回戦で約半年ぶりのツアー白星を挙げた後の記者会見で「試合に負けるたびに、引退しろとか、プレーをやめるべきだとか、もう終わりだとか、もう何も残っていないとか言われて、悲しいことばかりだよ」と語った。
その上でマレーは「(手術で金属の人工股関節となった)今でも世界最高の選手と競うことができるんだ。それは本当に面白いことだと思うよ」と、前向きに復活への道を進んでいる。
このことを念頭に、錦織はアレックス・デミノー(オーストラリア)に勝利した2回戦後の記者会見で、マレーと同じような経験はあるかと質問をされた。すると少し白い歯を見せながら、錦織は「いいえ。幸いなことに、まだ誰も僕に引退のことは聞いてきません」と答えた。
そしてマレーについて、次のように話し始めた。
「間違いなく、彼は僕よりもずっと多くのことを成し遂げてきました。グランドスラムやオリンピック優勝といった、僕より多くのことをです。なので、彼に対して引退のことを言ったり聞いたりするのは、ちょっと馬鹿げてるなと思います。それは彼が決めることだし、彼の体の状態のことを分かるのは彼だけですから」
ともに怪我からの復活を目指す両者。錦織は過去何度も対戦し、激闘を繰り広げたマレーにエールを送る。
「彼はまだベストな状態ではないですけれども、彼には戻ってきてほしいですよね。大好きな選手ですし、僕らは何度もバトルをしてきましたから。彼がまたトップ10やトップ5に戻ってきてくれることを願っています。僕たちには彼が必要だと思います」
「ATP500 ロッテルダム」2回戦で素晴らしいプレーを見せ勝利した錦織は、準々決勝で世界27位ドゥサン・ラヨビッチ(セルビア)対世界26位ボルナ・チョリッチ(クロアチア)の勝者と対戦する。
(テニスデイリー編集部)
※写真は「ATP500 ロッテルダム」での錦織圭
(Photo by John Berry/Getty Images)