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ティアフォー、優勝セレモニーで黒人テニス選手の誇りを示す

写真は「全豪オープン」でのティアフォー

アメリカ期待の若手の一人である22歳のフランシス・ティアフォー(アメリカ)は、過去2年間優勝から見放されていたが、イタリアで開催された「パルマ・チャレンジャー」でようやく優勝することができた。だが彼の野望はチャレンジャー優勝では終わらない。米テニスメディアBaselineが報じた。

優勝が決まった時、コート上のインタビューでティアフォーは言った。「これは仕事のための旅だった。ここへはたった一つの目標のために来た。優勝するために」


だがその時に着ていたTシャツを見れば、彼にはもっと大きな夢があるようだ。彼の黒いTシャツの胸には白い文字で「アーサー 1968 ヤニック 1983」と書かれていた。これは黒人のテニスレジェンドであるアーサー・アッシュ(アメリカ)とヤニック・ノア(フランス)が、それぞれグランドスラムで初優勝を遂げた年だ。


そしてノアが「全仏オープン」優勝を果たした1983年以降、グランドスラムの男子シングルスでの黒人選手の優勝はない。ティアフォーはそれを、自分が変えることを望んでいる。


ティアフォーのテニスウェアのスポンサーはナイキだが、このTシャツはGrand Slammaという、黒人テニス選手たちの歴史と偉業をモチーフにしたTシャツなどを作っている新しい会社のものだ。


メリーランド州に本拠を置くこの会社は、ジェリー・イングラムさんとシャロン・イングラムさんという姉妹が創設。ジェリーさんはメリーランド大学でテニスをやり、その後プロに転向して1980年代後半には200位内に入ったこともあり、現在もテニスの指導に関わっている。


ジェリーさんは現在アメリカで起こっている人種問題への大きな関心に応えてこの会社を作ったという。「私たちはテニスをする子供の親たちや、支援してくれる人々から何らかの行動を求められました。それで、次の世代のためにできる責任ある、教育的でずっと続けていけることを考えたのです」


「私たちは若者たちの求めるものを考え、何かカッコイイものがいいと思いました。カッコイイものなら、若い世代も関心を持つでしょう。そしてウェブサイトは、ただ商品を売るのではなく、黒人のテニス選手、コーチ、ヒッティングパートナーたちの歴史を綴ったストーリーのページを作りました」


現在の厳しい経済状況の中で、黒人の子供たちがテニスを続けていけるよう支援することも、彼女らの大きな目的の一つだ。


彼女らが作ったもう1枚のTシャツには、アリシア・ギブソン(アメリカ)から大坂なおみ(日本/日清食品)に至る、グランドスラムで優勝した黒人女子選手のファーストネームが並んでいる。


そこに名前の載っている2017年の「全米オープン」覇者であるスローン・スティーブンス(アメリカ)は、今年の「全仏オープン」の練習中に、このTシャツを着ていた。


そしてティアフォーがパルマでの優勝インタビューで例のTシャツを着ていたのを見て、ティアフォーと長年親交のあるジェリーさんはとりわけ喜んだ。「彼は私たちのTシャツを見せびらかしてやる、と言ってくれました。そして優勝セレモニーであのTシャツを着てくれたのです」


シャロンさんは言う。「私たちの企画は現在とてもうまくいっていて、これからも続けていきます。このTシャツがきっかけとなって、人々がそれについて会話してくれることを望んでいます。若い人々に、プロテニスに関わってきた黒人たちのことを知って欲しいのです」


(テニスデイリー編集部)


※写真は「全豪オープン」でのティアフォー
(Photo by Cameron Spencer/Getty Images)

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