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小国モルドバ、「ATPカップ」で大国と戦う

写真は「ATPカップ」でのアルボット

審判席によじ登る選手の姿は、なかなか見られない。「ATPカップ」(オーストラリア・ブリスベン、パース、シドニー/1月3日~12日/ハードコート)グループステージ5日目に行われたイギリス対モルドバ戦で、ラドゥ・アルボット(モルドバ)が何かを確認したかったようで審判席に登った。Alexander Cozbinov(モルドバ)と組んだダブルスの試合中に、Cozbinovが線審からフットフォールトをコールされ、サーブの際に左足がベースラインに触れたと言われたためだった。

モルドバチームはそのコールに異議を唱えて、ビデオ判定となった。今回初開催の「ATPカップ」では、ビデオ判定に新型機器が導入されている。主審のAurelie Tourteがタブレットでそのビデオを見て、Cozbinovの足がラインを踏んでいないという明らかな証拠が確認できなかったため、フットフォールトの判定を容認した。しかし、アルボットにはCozbinovがラインを踏んでいるところが見えていなかったので、主審のタブレットを一緒に見て確認しようと審判席によじ登り、観客の笑いを誘った。


ビデオ判定について、アルボットは「かっこいいと思ったよ」とコメント。「昨日もノバク・ジョコビッチ(セルビア)のラケットがネットを超えたかどうかのビデオ判定を見たよ。あれもおもしろかった。もしこの制度がなければ、速すぎて見えないからね。今回も、確認したくて登ったんだ。でも、フットフォールトは見えなかったよ!」


その前日ジョコビッチはブリスベンで行われたセルビア対フランス戦で、ダブルスの試合に出場していた。対戦相手のダブルスチーム、ニコラ・マウ(フランス)とエドゥアール・ロジェ バセラン(フランス)が、ジョコビッチがボレーをした際にラケットがネットを越えたと主張。ビデオ判定でジョコビッチのショットは反則だったと分かり、そのポイントを失った。


「自分の目で確認できるのはいいよね」とアルボット。「でも、毎回確認のために審判席に登る人はいないよね。いや、いるかも」


モルドバは決勝トーナメントには残れなかったが、世界のトップレベルの国々と戦うチャンスに恵まれた。「本当に楽しかったよ。このトーナメントは素晴らしいね。結果を出せなかったのは悔しいけど。このトーナメントそのものが、他の大会とは違う。周りに大勢の選手はいないし、自分たちだけのロッカールームがあるんだ。ホテルでは自分たちのためのテーブルに朝ごはんが用意されているし」とアルボット。「こんなの初めてだよ。コートにはタオルとか必要なものを何でも用意してくれる人たちがいて、プライベートのトーナメントみたいなんだ。全てはあなたのために、必要なものは何でもどうぞってね。僕は本当にこの大会が気に入ったよ。特に第1回目なのがよかった」


世界ランキングトップ50に入ったアルボットは、大きな舞台で何度もプレーしている。去年はマイアミでロジャー・フェデラー(スイス)から1セット取ったこともあった。けれど今回アルボットのランキングのおかげでモルドバが「ATPカップ」に出られることになり、アルボットは自分より下位の同胞選手たちに、世界にアピールできる機会を与えたのだ。


世界816位のAlexander Cozbinovは、一度もツアーレベルの大会に出たことがなかった。だがモルドバチームの第1戦に出て、元世界ランキング38位のスティーブ・ダルシー(ベルギー)を3時間以上におよぶ接戦に追い込んだ。「あれは僕の人生で最高の経験だったと思うよ」とCozbinov。「僕にあんな強い選手たちと対戦するチャンスをくれたラドゥに、本当に感謝している」


「ATPカップ」のモットーは「祖国への愛のために」。そしてモルドバがこのイベントに参加したことは、テニスを超えてもっと大きな意味のあるものとなった。「この初開催の大会に、自分の国のような小さい国が参加できたことは本当に幸せだと思う。周りのもっと大きい国、ルーマニアやウクライナ、ポルトガルも参加できなかったんだ。だから、モルドバのような小国がここに参加できたことは本当に幸せなことだよ。きっとモルドバがどこにあるかも知らない人が多かったと思うけど、何人かは、これを機会に調べてくれたんじゃないかな」


※写真は「ATPカップ」でのアルボット
(Photo by Mark Metcalfe/Getty Images)


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翻訳ニュース/
ATPTour.com

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