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完全復活ジョコビッチの2018年。王座返り咲き、史上初のマスターズ全制覇も達成【男子トップ10の今シーズン】

「ウィンブルドン」でのジョコビッチ

ATPワールドツアーアワードのカムバック賞を受賞し、今季カムバックに最も成功した一人であるノバク・ジョコビッチ(セルビア)。今シーズン11月には、2016年10月末以来2年ぶりに世界ランキング1位に返り咲いた。

"精密機械"とも言われる正確なショットや鉄壁のディフェンスを完全に取り戻した、"強いジョコビッチ"の復帰シーズンを振り返る。

■怪我からの復帰後、「ウィンブルドン」で復活優勝

ジョコビッチは昨年の「ウィンブルドン」準々決勝で、肘を痛め途中棄権。そのまま2017年シーズンを終了していた。今年も「全豪オープン」後に手術を受け、本来のプレーをなかなか取り戻せずに一時はランキングも22位まで落ち込んだ。

それでも徐々に復調し、6月の「ATP500 ロンドン」ではキャリア通算800勝を突破。続く「ウィンブルドン」では自身のお決まりになぞらえ、次のように優勝への意欲を見せた。「ウィンブルドンの芝を味わうのが大好きだ。それはつまり、決勝戦に出て勝つということだ」「ちょっとしたしきたりみたいなものだよ。この素晴らしい大会で何とか勝利したこれまでの3回のね」

すると、準々決勝では錦織圭(日本/日清食品)を下し、準決勝ではラファエル・ナダル(スペイン)との2日間にわたる激闘を制した。決勝では隙の無いプレーを見せ、ケビン・アンダーソン(南アフリカ)にストレートで勝利。グランドスラムにおいて、今シーズン最初の復活優勝を果たした。

なお、ジョコビッチは2016年の「全仏オープン」で生涯グランドスラムを達成したあと、なかなかグランドスラムで勝てずにいた。その後には怪我でツアー離脱もあり、そこからの道のりについて「今振り返って語るのは簡単だけど、大変だった。ここまでくるプロセスは正しいんだと、自分を信じて言い聞かせてきた」と話した。

また「カムバックできて嬉しい。テニス界の神聖な場所に戻ってくることができた。そしてトロフィーがこの手にある、最高だ。芝の味も最高だった」と喜びを表していた。

■史上初の「ゴールデン・マスターズ」達成

8月の全米前哨戦「ATP1000 シンシナティ」は、9大会あるマスターズ1000の中でジョコビッチが唯一優勝していない大会だった。2007年に「ATP1000 マイアミ」でマスターズ1000初優勝を飾ったジョコビッチは、2013年までに8つのマスターズ1000を制覇。しかしこのシンシナティでは2008年、2009年、2011年、2012年、2015年の5度決勝へ進出するも、いずれも準優勝と苦汁を飲まされてきた。

その過去5回の決勝のうち、3度敗れたロジャー・フェデラー(スイス)と再び決勝で相まみえたジョコビッチ。すると6-4、6-4のストレートでフェデラーを破り、遂に史上初の「ゴールデン・マスターズ」(キャリアの中でマスターズ1000の9大会を全制覇)という偉業を成し遂げた。

ATP公式サイトによると、ジョコビッチは偉業達成について「僕のキャリアにおいて、間違いなく圧倒的に特別な瞬間だ」「心から愛しているこのスポーツで歴史的偉業を成し遂げるのは、この上なく名誉なことであり光栄だし、一生涯とても誇りに思い続けるだろう」と話した。

■「全米オープン」でも優勝し、復帰シーズンに世界1位奪還

「ゴールデン・マスターズ」も達成しますます勢いに乗るジョコビッチは、「全米オープン」でも順当に勝ち上がり。準決勝ではまたも錦織を退け、対錦織はこれで14連勝。決勝ではフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)をストレートで下し、「ウィンブルドン」に続きグランドスラム出場2連続でのタイトル獲得を果たした。

10月の「ATP1000 上海」では、相手に1回もブレークを許さない強さで優勝。シンシナティ、全米、上海と出場3大会連続でタイトルを獲得した。

さらに続く「ATP1000 パリ」でナダルが欠場したことにより、一時22位だったジョコビッチの世界ランキングは遂に1位に。ATP公式サイトによると、同シーズントップ20位圏外だった選手が王座に登り詰めたのは、2000年のマラト・サフィン(ロシア)以来のこと。

ジョコビッチは王座返り咲きについて「もちろん、とってもとっても嬉しいし、誇りに思うよ」「5ヶ月前の時点では、その時のランキングやプレー、コートで感じていたことを考えると、とても有り得そうもないことだった」と喜んだ。

■2018年の主な出場大会・結果

「Nitto ATPファイナルズ」 準優勝

「全豪オープン」 4回戦
「全仏オープン」 ベスト8
「ウィンブルドン」 優勝
「全米オープン」 優勝

「ATP1000 ローマ」 ベスト4
「ATP1000 シンシナティ」 優勝
「ATP1000 上海」 優勝
「ATP1000 パリ」 準優勝

「ATP500 ロンドン」 準優勝

■終わりに

今シーズンにグランドスラムで2度優勝したジョコビッチは、シングルスの通算タイトル獲得数を72に伸ばした。

本人は、男子ツアー最終戦「Nitto ATPファイナルズ」を準優勝で終えた後、「シーズンをATPランキング1位で終えられること、それがインドアシーズンに入ったときの目標でした。そしてそれを達成することができた。全体的に驚異的なシーズンだったので、間違いなくとても誇らしく思う」と振り返っている。

一方、偉大な記録を残してきた同選手だからこそ、次のように克服しなければならないハードルがあったと明かしてもいる。

「再びモチベーションを見つけて心を新たにし、精神的な駆動力を見つけなおさなければならなかった」「グランドスラムや世界1位のような最高峰、頂点が常に目標になるものなんだ」

しかし「そういった悩みは選手としてのキャリア、人生、そして進化していくなかでの一部分にしか過ぎないと理解してからは、どうやったらより上手くなれるか、より強くなれるか、そして高いレベルでのテニスを続けたいという気持ちになった」と話すジョコビッチ、2019年シーズンも彼の王座の時代が続くのか注目だ。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ウィンブルドン」でのジョコビッチ
(Photo by Visionhaus/Getty Images)

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