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用語解説

ラケット編

エアロ(アエロ)形状 フレームが空気抵抗を受けにくいよう、断面が楕円偏平状、あるいは三角状に設計された形状の総称。中厚以上のフレームは、ほぼこのフレームスタイルが採用されている。偏平度合いが大きいほど、打球方向に対して硬いラケットとなり、インパクト時における外側シェル(シェルの項参照)の内側へのたわみが大きくなり、反発力が増すというのが原則。
黄金スペック フェース面積:100平方インチ、フレーム重量:300g前後、フレーム厚:25〜26oというスペックで構成されるラケット群に付けられた呼称。バボラ『ピュアドライブ』が黄金スペックの原点で、それがあまりに好評だったために、各社がこのスペックでラインナップ。
オーバーサイズ 基本的にはデカラケの大きさを指す言葉で、それが107平方インチだったことから、だいたいこのサイズのカテゴリーのラケット群。これ以上になると115平方インチだったり、125平方インチだったりするが、「スーパーオーバーサイズ」とでも言っておこうか。明確な区切りはない。
価格 日本のテニスショップで販売されているほとんどのラケットは「フレームのみ」の価格で、ストリングや張り代は入っていない。ときに低価格モデルは「ストリング張り上げ済み」で売られ、「ストラング」と呼ばれる。今日、カタログ上での価格表示は「消費税込」が原則とされ、税抜価格は「本体価格」として添えられている。
カーボン 現代のテニスラケットを構成する基本材料。炭素繊維はそれ自体が強靭で、それを束にしてプラスティックで固めるとさらに強度を増す。これを炭素繊維強化樹脂複合材料といい「CFRP」と略称する。その品質は科学技術の進歩とともに向上し、多種多様なものが開発され、高弾性・高強度のカーボン繊維は、ラケットの軽量化にも貢献している。
グラスファイバー ガラス質の素材を繊維状に加工して束ねたもの。約30年前、テニスラケットはウッドから金属、グラスファイバー、カーボンへの移行を始めるが、フルグラスファイバー製ラケットの時代は短く、カーボン+グラスファイバーのコンポジットが主流となる。グラスファイバーは「柔らかな打球感」を演出するにはいいが、軽量化が進むにつれ、ほとんど姿を見せなくなった。
グリップサイズ ラケットを振る部分の太さを表す数値。単位は「インチ」。今日の表示は「1」「2」「3」「4」で、「4 x/8」の「X」に入る数字となる。従って、「1」=「4 1/8」、「4」=「4 4/8」である。この数値は全世界共通ではなく、メーカーごとに微妙に違ったり、シンセティックグリッブレザーの厚さによっても差が出るため、あくまで目安とし、購入時は必ず自分で握って確認すること。
グロメット ウッド時代は必要なかったが、ラケットがカーボン化したために登場。カーボン層を削ってあけたストリングホールにそのまま通すとストリングを傷つけるため、それを防ぐために挿入される保護システム。昔はストリングホールの1穴に1個、単独で差し込まれたが、現代は連続タイプで「スリーブ」(スリーブの項参照)と呼ばれる。
コア(センターコア)
フォーム
中空構造のカーボンラケットは、カーボンシートを巻きつけたエアチューブ芯に空気を送り込んで膨らませ、カーボン層を内側から金型に押しつけて形を作る。しかしそれ以前は、熱発泡性の材料を芯とし、金型内で発抱させてカーボンを金型に押しつけたため、製品には発泡材が「コアフォーム」として残った。軽量化のため姿を消していたが、しっかりした打感を生み出すために、あえて「コアフォーム」を入れているモデルもある。
シェル 元来、「外側を被うもの」という意味で使われ、テニスラケットでは外殻本体のカーボン層を指す。軽量ラケットのフレームを切断してみると、あまりにシェルが薄いのに驚く。だからこそ軽量なのだが、果たしてこれで打球衝撃に耐えられるのか不安になるが大丈夫! この薄さは軽量化のためと、強度を保ちながら適度に変形するために合理的なバランスの上に成り立っている。
シートラッピング法 カーボン繊維の組み上げ方法のひとつで、一般的に多用される構築法。カーボン繊維を一定方向にシート状に並べ、繊維間に樹脂を含浸させたもの(プリブレグ)を、繊維の種類や繊維が走る方向を違えながら重ね巻きして筒状にし、それをフレームの金型にはめ込む方法を言う。「ユニダイレクションプリプレグ法」とも呼ばれる。
シャフト もともとはレギュラーウッドラケットのグリップと面をつなぐ軸の意味で、1本だったからわかりやすい言葉だが、現代のオープンスロート形状にも使われる。広義ではグリップ付け根から面の下まで全部を、狭義ではグリップ上部のl 本部分だけを指し、スロート部と分けて呼ぶこともある。主に広義で使われ、ここが「しなる」か「しならない」かでラケットの個性は大きく違う。
樹脂 プラスティックのこと。樹脂でもプラスティックでもイメージしにくいため「プラスティック樹脂」など二重で使いがちだが、本来はどちらかだけでよい。ラケットではカーボン繊維をまとめ上げる接着剤の役割を果たすが、その種類の違いが打球性能を左右することもある。
重量 カタログで表示されている「重量」はフレームだけの重さ。使用時はストリングを張り上げるため、その重さ10〜15gを加算して考えること。昔は、同じモデルでも軽いものから重いものまであったが、今日ではワンセッティングで、「平均ウエイト」として中央値が載せられる。しかし、実際のフレームは結構、重さに違いがあるので、ショップで計測してもらって選ぶのがよい。
推奨ストリング 「我が社のラケットは、自社ストリングと組み合わされることを前提に機能させる」というコンセプトのメーカーもあり、事実、その効果はあるようだが、ほとんどの場合は「我が社のストリングもよろしく!」という営業戦略的な表記。 ただ、そのラケットにはどういうタイプのストリングがマッチするのか参考になる。
推奨(適正)テンション 「だいたいこのくらいで張るといい感じだよ」というカタログ表記。ストリンガーの技術やストリングマシンによって張り上がりはさまざまなため、 実はあまり説得力がない数字。メーカーによっては、この範囲を越えたテンションで張ると、ラケットが壊れたときの補償を受けられないケースもある。
スイートエリア(スポット) ある一定の「ストリング面の反発係数」を定め、その数値を上回るストリング面の範囲を示す。要は「ここに当たるとボールがよく飛ぶ」ということ。基準となる反発係数は、各メーカーが独自に設定したもので、他メーカー間の比較はできないのが本当。あくまで「同社従来機種との比較」であることを承知のこと。「スイートスポット」は『点』であり、広さを表現するなら「エリア」を使うべき。
スイングウエイト
(動的バランス)
ラケット設計者は、重量・バランスを一定にして、加重配分を計算しながらラケットを作る。たとえ静的バランスポイントが同じでも、フェース下部に20g加重してあるのと、トップ側に10g加重してあるのとでは、スイングしたときに感じる重さは違うし、打球の質も違う。この「スイングしたときの重さ」を数値化したのが「スイングウエイト」である。
ストリンガー ラケットにストリングを張る技術者。正しい英語では「ラケットストリンガー」。最近の電動マシンを使えば、ほぼ均一のテンションは得られるが、糸の通し方やトメの仕方など、ストリンガーの考え方や技術によって、仕上がりはずいぶんと変わるということを知っておくべし。精密な技術認定システムを持つ『JRSA』(日本ラケットストリンガーズ協会)があり、認定ストリンガーは技術の証。
ストリングパターン 例えば「縦16×横19本」などと表記され、ストリングの縦横密度を示す。だが、この言葉の中には、単に本数だけではなく、「パターン」=「模様・様式」、つまり縦と横がどんな配置をされているかまで含まれる。全面的に均一なのか、周辺は粗くて中心は密なのか(その反対はルール違反)、それによって打球感が大きく左右される。プロ用語として「目割り」「ピッチ」。
スリーブ 単独だったグロメットをつなぎ「連続グロメット」とすることで、グロメットの抜け落ち防止や製造作業効率アップなど非常に便利なため、ほとんどすべてのラケットがこれを採用。その別称が「スリーブ」という。グロメット同士をつなぐだけでなく、ストリングのルートとなって保護する一方、このスリーブで振動・衝撃や打感をコントロールするケースも多い。
静的バランス カタログに表記している「バランス」のこと。ラケットを横にして、ヘッド側とグリップ側が釣り合う支点と、グリップエンドとの距離で表示。だが、厳密にいうとこれはスイングするときに感じる重さとは一致しないため、製品としてのラケットの均一性の指標と考えるのが賢明。
テーパー
(テーパービーム)
先端に行くにしたがって細くなる形状を指す。シャフト下部は厚く、先端側へ徐々に薄くなる形状。先端がもっとも厚い場合は「逆テーパー」と呼ばれる。
デュアルテーパー 厚ラケ登場により初めて採用された形式。グリップ側から徐々に厚くなり、真ん中あたりから逆にどんどん薄くなる形状をしている。今日の中厚以上のラケットは、この形式のケースが多い。
トーションコントロール 現代のラケット設計は「捻れ」との戦いでもある。いかにシャフト部、フェース部の捻れを抑えるかが、面安定性の向上につながると考えるのが主流。だが、ガチガチに固めたのでは、打球衝撃があまりにダイレクトなラケットになるため、「適度にしならせながら、捻れは制御する」のが「トーションコントロール」。コントロールを不安定にし、パワーロスとなる捻れは抑え、主に打球方向へは挙動させるシステム。
ナノテクノロジー 現代のカーボン系ラケットやストリングに採用されるようになってきている。1mの10億分の1レベルで分子を制御することで、その部分にさまざまな機能や特性を持たせる技術。現在は主に補強のために用いられるが、採用する素材によって性能が違ってくる。
ハイモジュラスカーボン ハイモジュラスカーボン=高弾性カーボン(HM)、ハイテンシルストレングスカーボン=高強度カーボン(HT)など、結晶構造の特異性から、それぞれ個性的な性能を持ち、汎用カーボンより少ない使用量で複合素材強度を実現するため、軽量化に役立つ。さらに弾性率の高いウルトラハイモジュラスカーボン=超高弾性カーボン(UHM)などもある。
バランスウエイト ラケットフレームのバランスを調整するために装着されるオモリのこと。主に鉛製。プレーヤー個人が調整するために市販されているものは「テープ状タイプ」で、1片が3〜5g で型抜きされたものや、ロールを自分で好みの長さにカットして使うものがある。また、ラケット製造の最終段階で、重さやバランスを調整するためにグリップ内部に装填される板状の鉛のことも指す。
ハンドル 日本では一般的に「グリップ」と呼ばれるが、英語圏では「ハンドル」と呼ぶので、コミュニケーションに注意。
ビッグホール グロメットの内径を広げ、ストリングの動きをグロメットが制限しないシステム。フレームに接するストリングの可動支点を「フレームの内側に突起するグロメットの先端」から「フレーム外側のストリングホール入口」に移動させ、ストリングの可動域を拡大する。スイートエリアを広げたり、適用部分のホールド感を向上させる効果が期待される。
フェース面積 ストリングが張られている部分の面積。主に「平方インチ」で表すが、メーカーによっては「平方p」で表記するところもある。昔のレギュラーウッドでだいたい70平方インチ。デカラケ登場で一気に110平方インチ。そしてカーボン製ラケット時代になり、85平方インチのミッドサイズが流行し、現在では85〜125 平方インチまで多様にある。
フレーム厚 ラケットフレームの厚さ。日本語では「厚さ」という観念だが、英語では「幅(ワイド)」と見る。シャフトからトップまで同じ厚さの「均一厚」タイプ、「フェース部は同じ厚さで、シャフトに厚さの変化がある」タイプ、「シャフトからトップに向かって厚くなり、最大厚部を越えて徐々に薄くなる」タイプなどのバリエーションがある。基本的に「厚いとよく飛び、薄いと飛びは抑えられる」。
フレーム長 1995年以前はほとんどすべてが「27インチちょうど」。ところが94年にマイケル・チャンが1インチ長いラケットを実際に使い始め、95年に「28インチ」モデルがプリンスから発売された。すぐさま各社が「1インチロング」「2インチロング」を発売し、「長さの常識が変わるのか?」と囁かれたが、操作性の低さのために長くはウケず、現在ではほとんどが27インチに戻り、長くても「+0.5インチ」。
ブリッジ(ヨーク) ほとんどの人が「ヨーク」と言うが、昔は「ヨーク」と「ブリッジ」は区別されており、外側枠だけ成型されたフレームに「ビスなどで後づけされたもの」をヨークと呼び、「成型時に一体成型され、金型から外したときには装着されているもの」をブリッジと呼んでいた。またスロート部に「横バー」が1本入った構造を「ダブルブリッジ」と呼ぶ。
ブレード(ブレイド)製法 カーボン繊維を「筒状に編んだもの」(これをブレードと呼ぶ)を幾層か重ねて使う。こうすることですべてのカーボン繊維が切れ目なくフレームを一周するため(部分使用の場合もある)、打球感が極めてクリアで、構造物としても高い強度を備える。ただしブレードは高価。「シートラッピング法」はフレーム各部のカーボン繊維状況を自在に操れることもあり、プリブレグを使った方が設計の自由度は高いというメリットもある。
ヘッド 「ラケットフェース」とか「面」とか呼ばれる部分。つまりラケットを「人間」に見立てるとシャフトが首ならば、その上が「顔」。英語では「頭」と考えられて「ヘッド」と呼ぶ。海外で「フェースがね…」などと言っても怪訝な顔をされるので要注意。
補強素材 ナノカーボンや金属など、フレームの剛性を高めるための素材。昔の補強素材は金属線やカーボン糸に蒸着させたものを組み込んだが、カーボンと一体化しにくいため破損の原因ともなった。今日では粉末状になった素材を、カーボンをまとめる樹脂に混ぜ込ませることで、カーボンと樹脂との結合力を高める方法が採られる。
ボックス形状 ラケットフレームの断面構造が、基本的に「□型」となる形状。「エアロ形状」と対をなす形状で、しなり剛性、捻れ剛性をコントロールしやすいコンベンショナルな構造だが、スイング時の空気抵抗が大きいとされる側面も持つ。どちらかというと、十分なパワーを持ったプレーヤー向けのラケットに採用されることが多く、しっかりした打球感を求めるならボックス形状を選ぶといい。
ミッドサイズ レギュラーサイズが常識だった頃、デカラケの登場に驚き、そのパワーやスピン性能を評価しつつも操作性に違和感を感じさせないため、「これなら許せるか…」という中庸フェースサイズ。もちろん当初はサイズに具体的な設定範囲などなく、「レギュラーとデカの間だからミッド」と名づけられた。現在も「ミッドサイズ」を定義する数値範囲はないが、だいたい85〜90平方インチのレンジ。
ミッドプラス 中間という意味だったミッドサイズよりも大きいサイズを「ミッドプラス」と呼ぶ。従って、ミッドとデカの間である91〜106 平方インチを意味する。「オーバーミッド」という呼び方もある。「メーカーさんたちもそろそろ同じ呼び方に統一すればいいのに…」とも思うが、言葉のニュアンスからは「ミッドプラス」よりも「オーバーミッド」の方が大きい気がする。
面安定性 ハワード・ヘッドがデカラケを発明したのは、「面安定性」を追求したためだった。その後、さらにその機能は重要視され、各メーカーがさまざまな方法で対処。面が不安定になるのは、インパクトがスイートエリアから少し外れたときで、面安定性が低いとグリップが回されたり、フレーム自体が捻れてしまう。フレームの重量配分や、フレームの構造によって捻れにくくする工夫がされる。

ストリング編

シープガット 昔はナチュラルガットの材料として羊の腸が用いられたため「シープガット」と呼ばれたものの、今日ではほとんどが牛の腸を使用するため、「シープ」と呼ぶのは間違い。また「ガット」は天然素材にだけ用いるのが正しい。
シングルラップ ほとんどのモノフィラメント構造のストリングは、芯糸(コア)の外側に数本の細い側糸(レイヤー)を巻きつけてストリング強度を上げたり、打球感触の特徴を持たせている。その本数はゲージの太さや、側糸の太さでそれぞれ違っていて、芯糸の特性と相まって、ストリング全体の個性を決定する重要な要素となる。シングルラップはこの側糸が「一重」で巻かれた状態を言う。
ダブルラップ シングルラップ構造の上にもう一層側糸を巻きつける構造、つまり「側糸の二重巻き」。芯糸を物理的に保護する効果が高くなると同時に、芯糸の反発力をマイルドな感触で包むようなフィーリング。側糸はたいがい螺旋状に巻き上げられるが、一重目と二重目が逆向きだったり、一重目はストレートで二重目だけが螺旋に巻き上げられるケースなど多彩さが増す。
ナイロン ポリエステル製のストリングが登場するまで、シンセティック・ストリングのことを「ナイロン」と呼んでいた。実はナイロンは、デュポン社が開発したポリアミド繊維に付けた「商標」だったのだが、あまりに有名になり「脂肪族ポリアミド系ポリマー」の総称として使われるようになった。現在はポリエステル製ストリングと区別するために使われる言葉となった。
ナチュラルガット 天然繊維でできたストリングだけがこう呼ばれる。「ガット」は「動物の腸」を意味する言葉で、正しくはシンセティックには使わない。1本を製造するのに約3ヵ月を要し、作業工程も手作業が多く、非常に手間がかかるために価格も高い。しかしながら、「伸→縮」における復元力が強く、反発力が高くて、それが長期にわたって維持されるため、性能寿命は長い。
ポリアミド繊維 通称「ナイロン」の正式名称。科学素材としては天然繊維に近い性能を持ち、常温での力学的特性にすぐれ、特に他のプラスティックよりも高い摩擦摩耗特性を持つため、テニス用ストリングに採用された。ただ、意外に知られていないが、プラスティックとしては吸湿性が高い。
ポリウレタン 「熱可塑性エラストマー」に分類される樹脂。柔らかさが求められる製品に用いられることが多く、高強度、耐摩耗性、耐屈曲疲労性が特徴。かつてはテニス用ストリングに使用するには強度の点で難しいとされたが、今日ではそれも解決され、マルチフィラメントをまとめるのに使用されたり、コーティング材として使われる。マイルドでもっちりしたフィーリングが特徴。
ポリエステル ポリウレタンと同じく熱可塑性エラストマーだが、ストリングにおける性格は正反対に近い。20年ほど前に「耐久性抜鮮」の触れ込みで登場したが、打感が硬く、なかなか普及しなかった。しかし、この10年間でプロ選手の使用が急増し、現在のプロ使用率は9割近い(ハイブリッドを含む)とも言われている。反応が繊細ではない特徴が「強打しても安定する」という評価を得ている。
マルチフィラメント 単独の芯糸はなく、極細繊維をまとめて芯とし、その周囲をさらに側糸で巻き上げてまとめる。マイルドな打球感が特徴で、内部構造的に自由度が増し、さまざまな素材の複合化や、多彩な構造形成が可能になった。細めのモノフィラメントを組み合わせて芯材にしたり、マルチ芯の外側にモノ糸を配置したりする「モノマルチ」も可能になった。
モノフィラメント 1本の太めの芯糸をメイン素材とする構造のストリング。反発性・シャープな打感を特徴とする。一般的ポリエステル製ストリングでは芯糸単独構造となるが、ポリアミド(ナイロン)製ストリングでは、周囲に細い側糸が巻きつけられ、耐久性向上が図られる。

シューズ編

アウト(アウター)ソール テニスシューズのソール(靴底)は、主に3層の積層構造で、アウトソールはコートサーフェスと接触する最下層面。今日では素材として主にラバーが用いられ、ミッドソールのEVAに比べれば比重が大きいため、全体を軽量化するために、アウトソールはできるだけ薄くして使う。耐摩耗性能、異素材との接着技術、硬さのコントロールの自由度に格段の進歩がある。
アッパー 甲被。シューズの上側全体を指す。世界最初のテニスシューズのアッパーはズックで、その後、天然皮革が高級シューズの証となるが、人工皮革の品質が飛躍的に向上したため、多用される。また最近では耐久性の高い樹脂メッシュを採用することもある。屈曲のしやすさ、補強、フィット性追求のため、いくつものパターンに切り出された甲被パーツを組み合わせて立体縫製される。
安定性 テニスシューズではもっとも重要とされる機能で、激しいフットワークを踏むプレーヤーが使用する場合にこれを欠くと、ケガの原因ともなる。ソールが捻れてしまわないこと、横に踏み込んだときに足裏面のどこかが沈み込みすぎたりしないことが必要条件。
EVA エチレンビニルアセテート=エチレン酢駿ビニル共重合体の略記。安全で軽量、かつ柔らかい素材の特長を生かし、生活用品でも多彩に用いられる。軽くてクッション性に富むため、ほとんどすべてのテニスシューズでミッドソールの材料として活用される。発泡の具合によって、硬さ・クッション性をコントロールでき、成型のしやすさもあり、すでに20年以上も使い続けられている素材。
インソール 「中敷き」を指して「インソール」と呼ぶことが多いが、シューズ構造上は「インソール」=「中敷き」ではない。本当の「インソール」は、中敷きを取り外すと現れる布や繊維素材などの面を指す言葉だ。シューズの中から中敷きを抜き取って中を覗き込むと、エッジに縫い目がある。これが袋状に縫製された部分であり、底に見えるのが「インソール」。
インナーソール
(インレイソール)
これが「中敷き」を意味する正しい表現。各社各様で、薄くてペラッとしたものとか、分厚くてアンジュレーシヨンが豊かだったりとか、裏側のエッジが角張っていたり、丸みを帯びていたりとさまざま。進歩的素材も増え、軽量ながらもほとんどヘタリのないものや、それ自体が衝撃緩和性を備えたものもある。
エナジーリターン 当初は「緩和」だけだったものが、「それだけではエネルギーのロスになるから、これを次の動きのパワーに結びつけよう」と「反発」が付け加えられた。よって「緩和+反発」や「エナジーリターン」と謳われている。今日では「当然の機能」となり、カタログなどでも軽くしか扱わない。というより、ミッドソールの進化もあって、これだけに頼る必要がなくなったからだという見方もできる。
オールコート用 「どんなサーフェスでもOK 」という便利なシューズ。だがすべてに最高というのは無理で、性能的には各コート専用シューズほどには至らない。ただ、ユーティリティシューズとしては持っていていいだろう。「オールコート」とは謳っているものの、現実は「ハードコート」を意識した作りになっており、「オールコート用+オムニ・クレー」という2本立てラインナップをするメーカーが多い。
オムニコート 「オムニコート」というのは、砂入り人工芝コートを国内で初めて作った住友ゴム工業の登録商標であるのに、まるで総称のように使われている。「オムニコート」と呼べるのは、それを開発したオーストラリアのメーカーのサーフェスと、日本では住友ゴム工業のサーフェスだけ。総称するなら「砂入り人工芝コート」と呼ぶべき。
オムニ・クレー用 クレーに適しているのが溝型(リブ型)パターンで、砂入り人工芝に適しているのがスタッド型パターン。その兼用シューズということだが、砂入り人工芝適応をメインにしたものがほとんどで、クレーではコートを荒らす場合もある。適度に滑りながら止まるフットワークがクレーと似ているため、兼用シューズとして販売されることが多い。
クッション性 シューズは「フワフワしているほどいい」わけでなく、それがすぎると不安定になる。強い踏み込み時の衝撃を緩和するシステムは重要なことだが、足裏を安定させながらクッション感を持たせるのがむずかしい。この相反要素を、どのレベルでバランスをとるかは、プレーアビリティ、プレースタイル、体格などで変化する。
クッション性能の適性 クッション性能と安定性のバランスには、プレーヤーのタイプによって適性の傾向がある。中級レベルまでのアベレージプレーヤー用には柔らかい感覚を重視する傾向があり、強く踏み込む競技者用は柔らかさよりも安定感を確保するセッティングが多い。
グリップ力 コートサーフェスをとらえてつかんで止まる力。また、蹴り出しのときに「滑り」というパワーロスのないよう、サーフェスにしっかり力を与える性能。ただし何でもかんでも「グリップカが高い」のがいいわけではなく、止まりすぎるのも危険なため、適度なグリップ性能が求められる。
クレー用 砂入り人工芝用と「兼用」されるクレー用シューズだが、厳密にはやはり「グリップのためのシステム」が違う。世界でもっとも滑りやすいと思われる日本のクレーコートで、表面に撤かれた砂をものともせずに、硬い粘土質の土をグリップさせるには、特別なソールパターンと柔らかいアウトソールが必要。スペシャルシューズの中でも、特にスペシャルな存在。
交換式 今日ではほとんどのインナーソールが「交換式」で、汚れたら取り出して洗えるし、潰れてペチャンコになったら新しいものに入れ替えられる。また製品シューズに挿入されていたオリジナルではなく、インナーソール専門メーカーが発売しているものと入れ替えることもできるが、シューズ本体とのマッチングを考慮する必要もある。
後足部(リアフット) シューズをつま先から踵まで3分割したとき、もっとも踵寄りのパートを指す。この部分で重要な機能的要素は「ソールに求められる衝撃緩和機能」「踵をしっかり安定させるホールド機能」、そして「履き口のフィット機能」だ。各々の機能レベルバランスは、それを履くプレーヤーのプレーアビリティに応じて調節・設計される。
シャンク テニスシューズを裏返してソール側を見たとき、真ん中あたりに硬いパーツが露出していることがある。これが前足部と後足部をつなぐ「シャンク」だ。前後が捻れないことは安定性能に直接つながるため重要なパーツと認識され、多様な工夫が施される。素材的にもっとも多いのがTPU(熱可塑性ポリウレタン)で、耐摩耗性、耐屈曲疲労性にすぐれ、シャンクとして使い勝手がよい。
シューズ強度 プレーヤーの体絡、フットワークのレベルに応じて、必要とされる度合いが違い、軽いフットワークしか踏まないのに、あまりにソールがガッチリとしすぎていては、むしろ動きにくいと感じてしまうし、逆にグッと踏み込むプレーヤーのソールがグニャグニャに捻れてしまうのでは、これほど怖いことはない。フワフワしすぎていても安定性を保てなくなる。
シューレース 靴紐。どうということはない必須アイテムだが、実は進化もしている。かつては綿製で平たかったシューレースだが、一時、丸い紐が流行し、「滑りがよく、締めやすくていい」とされたが、逆に緩みやすかったり、「甲に当たって違和感がある」などと言われた。今日では平紐と丸紐の中間的な「平丸紐」が多用される。素材も綿からナイロンへと変わり、緩めるときにも楽だ。
衝撃吸収材 着地の衝撃を足に直接伝えてしまうとダメージが大きい。それを緩和するために生まれたのがこの材料。かつてはシューズ市場最大の宣伝材料であった時代もある。主に踵下部のミッドソール(ミッドソールの項参照)に埋め込まれ、あらゆる素材、システムが取り入れられてきた。
人工皮革 昔は「天然皮革こそ最高の材料」とされ、人工皮革は「模造品」「安物」のレッテルを貼られていたが、大手ブランドが人工皮革で最高機種を打ち出した頃からガラッと風向きが変わる。当初はまだ硬かったが、あっという間に品質が向上。柔らかくて伸びの少ない、表面の質感維持性も高くてメンテナンスフリー。今では完全に人工皮革が「テニスシューズのメイン素材」である。
スタビライザー 「安定させるためのパーツ」はこう呼ばれる。例えば踵部のミッドソールに横方向へ大きな力がかかったとき、潰れながら横に流れる。その変形を抑制するために組み込まれたパーツが「スタビライザー 」。また、前足部の小指側が外に流れてアッパーを歪ませ、ソールの横からはみ出しそうになるのを、ミッドソールを立ち上げて堤防のように支えるのも「スタビライザー機能」と呼ばれる。
砂入り人工芝用 砂入り人工芝での使用に特化されたスペシャルシューズ。クレーコート兼用タイプとの最大の違いは「ソールパターン」。 クレー用はヘリンボーンで土を引っ掻きながら止まるが、砂入り人工芝では、「『点』を芝の間に食い込ませる」のがもっともグリップ性を高められるため、砂入り人工芝専用モデルはスタッドが主となる。またクレーコート専用モデルよりもクッション性が求められる。
スライド性 止まるときのフットワークでは、グリップ性だけでなく、衝撃や余分な力を逃したりして足や膝に過度な負担をかけないことも求められる。「適度に滑りながら止まる」と言われるクレーでは、「滑りながらも止まりたいところで止まる」ことが要求され、摩擦力が大きいハードコートでも「接地の瞬間にわずかに滑ってくれることが必要」とされる。このバランス調整が難しい。
前足部(フォアフット) 足指の付け根(踏み付け部とも呼ぶ)からつま先までのことを言い、グリップと蹴り出しの効率を高めるソール設計が必要となる。またアッパー構造は足とのフィット感、ホールド性能、クッション、そして安定感のバランスなど、シューズ全体の個性演出をもっとも多く背負っている部位となる。踵に衝撃緩和材が組み込まれ、この前足部には「反発素材」を組み込まれることが多い。
ソールパターン アウトソールに刻まれたさまざまな意匠。コートサーフェスの特徴に合わせて、有効にサーフェスをグリップできるように、また適度なスライドが可能であるように設計されている。単に平面的な図柄ではなく、構の深さ、スタッドの形状、リブの高さや柔らかさ、柔硬の素材配置、接地面積のバランスなど、あらゆる組み合わせの中から狙い通りの性能を発揮できるように配慮されている。
ソール構造 テニスシューズは、アッパー部分と底部分(ミッドソール+アウトソール)を接着して作られる。アッパーにはフィット性・ホールド性・柔軟性・耐久性などが求められ、ミッドソールにはクッション性・安定性、アウトソールにはグリップ性、適切位置での屈曲性、耐摩耗性などが求められる。一般に、競技系モデルは全体的に硬めで、アベレージモデルは柔らかめとされる。
中足部 前足部と後足部をつなぐ連結部位。ここが適切に捻れることが必要で、捻れないのでは困るが、捻れすぎるのは足に負担をかけ、危険な場合もあるので、それをカバーする機能を担当するのが、シャンクなどの「捻れ制御システム」。おおまかなプレーアビリティのレベルによって、どの程度の捻れ具合にコントロールしておくかが設定される。
フルソール
&セパレートソール
ソールの前足部と後足部が面として繋がっているのがフルソールで、昔のシューズはすべてこの形態。だが「この部分はグリップカとは関係ないので、接地させずに持ち上げる」ように設計されることが流行ったのがセパレートソール。軽量化にも役立つセパレートソールだが、「ここが接地していないとちょっと心細い」という声もあり、フルソール型も増えてきている。
天然皮革 かつて「テニスシューズ価値基準」のひとつであった「天然皮革アッパー」。その種類、品質などでもグレード分けされ、厚さ、柔らかさ、堅牢さ、強さ、硬さ、風合いなど、同じ牛革でもずいぶんと多様。最高級とされるのは「カンガルー皮革」で、薄くて軽いのに丈夫、柔らかいのが特長で、過去のテニスシューズではわずか数機種に用いられただけで、今日では部分的に用いるシューズがある。
ヒールカウンター ほとんどのシューズはこの「ヒールカウンター」を直接目にすることができないので、その存在を知らない人も多い。激しく動いても踵の位置を安定させ、足とシューズの一体化を図るために役立つ。ほぼ必ず必要なパーツとして組み込まれていて、フットワークが激しいプレーヤーが着用するために設計されたシューズには、よりしっかりしたものが内蔵されることになる。
フィット性 単に「柔らかくて気持ちいい」などととらえがちだが、厳密にはその構成要件は複雑。足の形にピッタリ合うのは簡単だが、ただ立っているときの静的フィット性と、動いているときに足の挙動と、一体化して動く動的フィット性は必ずしも一致しない。テニスシューズは動きのための道具なので、動きの中での性能を考えるべきであり、足を入れただけの心地よさだけで判断すべきではない。
動的フィット性 動的フィット性が高いということは、安定性能やホールド感ともリンクする感覚で、足を入れただけでは「硬い」と感じることもある。逆に、とてもソフトな足当たりで、どこにもストレスを感じないのは動いた際に足がシューズ内で動く可能性もある。適度なフィット性とは、激しい動きでも足がシューズの中でズレないこと。全体的に軽い締めつけ感があるくらいが動きの中では適切。
ヘタリ 新品時は確かに十分なクッション性を発揮するが、繰り返し踏みつけられるうち、いわゆる「ヘタリ」という、潰れてクッション性が低下する現象を引き起こすので、ときどき、潰れ具合やクッション感をチェックする必要がある。購入時よりずいぶん薄くなったと感じたら、アウトソールが減っていなくても買い替えを検討し始めることをすすめる。
ミッドカット&ローカット 履き口の高さで判断し、ミッドカットはくるぶしの下半分にパッドが当たるくらいまで高く、ローカットはくるぶしが完全に露出する。「ミッドカットは足首をサポートしてくれる」と言われたが、数年前から「実はサポートカがあるわけではなく、何となく安心だから」ということが知られるようになって、ローカットが見直され、現在では立場が逆転し、ミッドカット・モデルが極端に少なくなった。
ミッドソール アウトソール上部に位置し、足の安定性とクッション性をコントロールする部位。横から見ると、たいがい白いのですぐにわかる。素材には主にEVA が使われ、着地衝撃を受け止めてクッションとなったり、ときにはアッパー下辺まで立ち上げられて足が横流れするのを防ぐスタビライザーの役目を果たしたりと、多岐にわたる機能を発揮することになる。